5-4. 末端リン酸基の脱着
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1) リン酸基の脱着
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核酸の5'末端が-OHの場合、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(T4 PNK: polynucleotidekinase)とATPを使い、ATPのγ位リン酸基を核酸の5'末端に転移させて5'-Pとリン酸化することができる
反応は5'突出DNAや、RNAを含む一本鎖核酸でよく進む
逆に核酸末端のリン酸基はホスファターゼで除くことができる
使用される酵素は細菌由来アルカリホスファターゼ(BAP:bacterial alkaline phosphatase)や小腸由来ホスファターゼ(CIP:calf intestine phosphatase)という脱リン酸化酵素
いずれの末端でも脱リン酸化反応が可能で、タンパク質の脱リン酸化も行える
T4 PNKでRI標識リン酸基を5'末端に入れる場合は、脱リン酸化反応を行った後でγ-32P ATPでリン酸化反応をする
T4 PNKは逆反応である脱輪坂も同時に促進するので(リン酸基交換反応)、T4 PNKのみでの標識反応も可能
2) リン酸基脱着反応を遺伝子操作の中で応用する
DNAのライゲーションは3'-OH、5'-Pの必要があるため、5'が-OHとなっているDNAのライゲーションではリン酸化は必須
ベクターにDNA断片を挿入するライゲーションで、断片をリン酸化し、ベクターを脱リン酸化しておけば、ベクター自身の末端のライゲーションによる環状化(セルフライゲーション)を防ぎ、インサートの挿入効率を上げることができる
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